課長七変化
今日はみんな仲良く庁舎に缶詰だった。
ひとつ片付くとどうしてもこういう日が要るよね。
ハルくんは自分でプログラム組んで演算できるようにしてるらしいけど、正直こっちは組まれてるプログラム崩さずに処理終えることを生業としてる。
デスクワークもまだ全然追いつけない。
タイピングの速さでおお〜ってなるのは高校の情報までって孔子も言ってなかった?
前にも、っていうか事件の度にこういう日は巡ってくるから、だからいつだったかは覚えてないんだけどね。
こんな日に、私うっかり関さんのこと「先生」って呼んじゃったことがあって。
なんかすごいナチュラルに口から出て、さ行だし(それは関係無いにしても)関さんも普通に反応してくれたのね。
だから、ああ私なんか間違えた気がしたけどちゃんと関さんって呼んだよね、と思ってて。
したら今大路さんが「先生…?」ってやっぱり気付いちゃってね。
3年P組関先生〜!とかってね、ちょっと盛り上がりすぎて怒られたことがあったんだよ。
まあ先生も笑ってたから問題なかったけど。
なんでその話かっていうと、16時頃かな。
相変わらず書類とパソコンと睨み合ってたら、すごい懐かしいワードが耳に飛び込んできた。
「店長〜」
ってさこの声がね。
課内騒然。爆笑。
何屋だよ、っていうところから始まってこう、今思い出しても面白いんだけど、でも分かるんだよね。
分かる、なんか店長って言いかねない。
関さんが店長っぽいんじゃなくて、ちょっと困った時に呼ぼうとして口から出るのって先生か店長かお父さんでしょ。
さこ、笑っちゃってごめんね。
私が次やらかしたら思いっきり笑ってほしい。
関さんがひとしきり笑った後「小路、関課長って10回くらい書いておくか」って言ってて。
どう考えても冗談なのに、後で片付けてたらゴミ箱にさこの字のメモが入ってたのね。
10回関課長って書いてあってものすごく笑ってしまった。
A型だからか知らないけど、変なとこ真面目なのってかえって面白いよね。
完璧超人の青山さんが惹かれたのって、もしかしてこういうとこなのかなって思った。